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待ち合わせのつづき

ポールボキューズの前で待っていると開店の5分前にT氏がやってきた。

11時が近づき別のグループも並び始めた。もうそろそろ開店というタイミングでガラスの向こうにH氏が見えた。忌々しくセンスの悪いガラスドームはH氏の行く手を阻んだ。

H氏はなんとか開店に間に合い、私たちは一番乗りを果たすことができた。

メニューを見つつ、オーダーを待った。

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H氏は良い方の、T氏は普通の方のランチにした。

私はT氏と同じ普通の方にしてオプションのスープをつけた。

H氏とT氏はデキャンタで赤ワインを注文した。

私はこのあと運転の予定があるのでワインはパスした。

朝食抜きで歩いてきたのでそれなりにお腹は空いていた。

料理の内容は、

奇をてらうことなく、法則に従った味という感じ、バターたっぷりの濃厚なフランス料理だ。

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私はフランス料理というのはソースを主とした味付けが全てだと考えている。

何度も飢饉や戦争に見舞われ、木の根っこや皮、キツネやカタツムリなどなんでも料理して美味しくすることができる料理だ。

日本料理とはこの点では対極にあるかもしれない。

極論、切って並べる、茹でて並べる、炙って並べる、素材の味をなるべく生かす、言い換えるとシンプルイズベストこそが日本の食の基本的な部分にあると私は考えている。

それだけに日本人がフランス料理を論じると様々な意見が出る。

当たり前だが文化が違いすぎるのだ。

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ポールボキューズの基本に徹した料理の内容に私は感心し堪能した。

まあ、私たちはそんな話はせず、夏目漱石吾輩は猫であるよろしく、洋の東西にまつわる友人知人フォロアーのエトセトラな話をして料理の味をさらに盛り上げた。

デザートを入れても4品ほどのコースで楽しくおしゃべりしながらだ。

話に夢中になって料理に手をつけるのが遅かった、ということはなく、ひたすら食べ、話していたような気がする。

店を出たのは12時を回っていた。

なんと1食1,500円ほどのランチで1時間以上を費やしていた、これもフランス料理の楽しみ方としては良かった。

料理とは料理人と素材(ソース)だけでも成立するかもしれないが、

これに尊敬尊重する同席者との楽しい会話がなければ美味しい食事は成立しえない、を字でいく食事会だった。

私たちは楽しい話と美味しい料理でいっぱいになった腹を抱えながら、

県政迎賓館をあとにし金沢市内に新しくできた私設美術館へと歩を進めた。(つづく、んだ)

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