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カバンはバクさんの

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昔、NHK教育でバクさんのカバンという番組があった。

細かい設定は忘れたが、主人公のバクさんが持っているカバンにはなんでも入る、というような話だったような気がする。

もちろん、バクさんはそのカバンがお気に入りだ。

それにひきかえ私は、昔から満足のいくカバンに出会ったことがない。

いや、正確には買った時はまあまあ満足だったのだ。

だが、買ってからしばらくすると、あちこちと不満が出てきて、

嫌になってしまい、使わなくなってしまったりする。

だが、すんなりと捨てたりはできない。

今は不要だが、そのうち使いようになるのではないのか、ひょっとしたら嫌になったのは一時の気の迷いではないのか、などなど考えたりする。

なので、一時期、身体は一つしかないのにカバンだけで10個近く持っていたこともある。

これ、旅行カバンなど全てではなく、いわゆるビジネスバックに限った話だ。

そんな状況でも、年に数回は新しいものが欲しくなる。

手元に溜まってしまい、クローゼットの収納場所を確保できなくなり、渋々処分することにした。

半年くらいしか使用していない物や、もともと作りがよくやれ感が少ない物などは、オークションサイトやフリマアプリでそれなりの金額で処分できた。

問題は、愛着の塊のような古くて売り物にならない物だ。

これらは捨てることもできず、結局、クローゼットの肥やしと化している。

今メインで使っているカバンもそろそろ飽きが来ている。

さあ、収納場所もないことだし、困った物だ。

いよいよ捨てるべきか。

あ、バクさんのカバンに使わないカバンを片付けたらいいんだ。

使わないカバンをバクさんのカバンへ。

そんなことは起きないので、カバンの収納には悩むばかりだ。