異説がある話なので断定的には言えないのだが、
安部公房の小説、砂の女のモデルと言われる海岸に1年に2回は出かける。
海水浴シーズン以外、人気がほとんどない。
海水浴シーズンでも、波が高い日があり、遊泳禁止となることがある。
遊泳禁止となると、海水浴客は砂浜で水着姿のまま、海を眺め続けるしかやることがない。
そんな、砂浜で異国から流されてきた藻屑やプラスチック製品を眺める。
漢字やハングルで書かれたものを見て、それがどのように使われていたのかを想像したり、
日本語で書かれているものを見て、なぜこれがこのような場所にあるのかを想像する。
冬などは全く誰もいない。
不意に、地底から砂の女が現れても不思議ではない。
今年も、この海岸に出かける。