予定よりも10分前にプラットホームに出た。寒い中、待たなければいけないかと覚悟していたが電車は既に入線していた。2割程度の座席が埋まっていたので、もっと前には入線していたのだろう。
T氏が発車5分前に乗り込んできた。H氏はもうそろそろ発車という段で乗り込んできた。
私たちが乗った電車は座席の9割ほどを埋めて時刻通りに発車した。
元は特急はくたかが走っていた路盤で2両編成の第三セクター車両が通るにはオーバースペックな乗り心地だった。
JR時代なら、何十年ものの旧国鉄車両がものすごいモーター音で走っていたが、川崎重工謹製の車両は新快速型の転換クロスシートで快調に北陸路を進む。
特急も走れる路線だが、土日は快速運転すら運休で鈍行のみの運用だ。
金沢からの乗客は順次各駅で降り、高岡あたりから乗車する人の方が上回り始めたと見ていたら富山で乗客の8割は入れ替わった。
新快速型の車両でまあまあな小声でも会話できる環境だったが、ここでツイッタータイムになった。
T氏が変な広告などをツイートしそれをいいねする感じ。
https://twitter.com/teppei101e/status/1332551722598686720?s=20
そんなこんなで黒部駅に降り立った。
この駅からは私の運転で発電所美術館へ向かう。
駅を出たあたりから雨が降り始めた。
カーシェアのホンダミニバンはワイパーをビビらせながら街を通り過ぎていった。
鉛色の雲が垂れ下がっていたからか、街からは活気を感じることはできず、通り過ぎた新幹線駅にも人影を見ることはなかった。
時間にして20分もかからない距離だったが駅からの往路は長く感じられた。
発電所美術館に到着し、駐車場を見渡したところ、他県ナンバーのクルマを見かけた。
既に先客がいるのかと驚きつつ、熊注意の張り紙を確認し受付へ向かった。
途中、変な炉のようなもので燻していたが、一旦見なかったことにした。
受付で入場料を払ったが、チケットはなかったと思う。
前髪パッツンの女性職員から入場の経路と注意事項の説明を受けた。
彼女が、
「順路にしたがって進んでいただきますが、展示の中心では写真撮影は不可です。またそのまま進まれても奥は水浸しなので立ち入らないことをお勧めします。」
と言ったので、私が、
あ〜、この炉心には立ち入れるが撮影は禁止なのね。炉心の先も漏水で危険なのね。
と返すと、彼女は表情一つ変えず、
「はいそうです。」
と言った。
前日の21世紀美術館とは異なる塩対応に若干面食らいながら、展示エリアに進んだ。
(つづく、だろうよ)