私用でホテルに泊まると色々イラッとポイントにでくわす。
ビジネスホテルだと意外にイラッとしない。
そもそもそういうものだという認識でいるから、そして自腹では泊まっていないのでこれはこういうものだという納得するようにしている。
ホテルのサービスにはさほどイラッとしない。
ホテルにはレベルがあり、また経営情報はまあまあ公開されているので「心の準備」をして臨むことができる。
アウェーでもホームでも、良いサービスを受けるにはある意味で「お利口さん」にする必要があり、そのアピール方法を心掛けている。
時々、家人が予約しチェックインする際のぎこちなさやトンチンカンなやり取りで「おまけ的」なサービスを引き出せずマゴマゴしているのを横目にクスクス笑ったりしている。
では、ホテルで何にイラッとするのか。
主には宿泊客に対してだ。
典型は、
・パブリックスペースに部屋のスリッパで出現してくる
・フロントで大きな声でクレームを言う
・レストランで飲んだくれる
・ゴミをドアの前に出す
・(海外で)英語か現地語でコミュニケーションが取れない
などがすぐに思い浮かぶ。
まあ、どれもパブリックに関係することが多い。
部屋の中はどうか、というと、そもそもヨソの人の部屋の中まで私には窺い知れないから、なにをしていようと私の知ったことではない。
エレベーターで白いピタピタのスリッパで乗り込んできたのが他国の人であれば、まあしょうがないかな、と思うが、これが日本人でそれなりの年齢でまあまあな身なりの人だったりすると興醒めする。
これ、不思議とおばさんではなくおじさんやおにいちゃんの場合が多い。
フロントのクレームでうるさいのは東アジア系の人が多い、と勝手な印象がある。
日本人の場合は男性であることが多い。
別の東アジア系の人には男女の区別はないが、ただ単に言語のアクセントと声量が大きいだけなのかもしれない。
日本人男性のクレームは本当に下らないことが多い、印象だ。
ゴネ倒してどうしたいのかは知らないが、「いい大人」がみっともなく見える。
まず、「ですます」が使えない。主語と目的語がない。
香港のホテルで出くわしたのは、待ち合わせに友人が現れず、彼がチェックインしているかどうかをフロントに訊こうとしているのだが、英語も中国語もできず、一人でイライラしているケース。
おじさん「〇〇さんはここにキテル?」
フロント「何かお困りですか?(英語)」
おじさん「だから、〇〇さんだって」
フロント「〇〇??」
おじさん「だから、チェック(確認)してくれよ、チェック!!」
フロント「カードキーをください(英語)」
おじさん「え?これ?はい」
フロント「あなたは先ほどチェックインしたばかりですが、チェックアウトされたいのですか?(英語)」
おじさん「チェックインじゃないよ、チェックだよチェック」
フロント「はい、チェック(支払い)ですね」
おじさん「違うよ、チェックチェック。チェックだって」
10年ほどまえに香港の3つ星ホテルで見かけた光景だ。
私はチェックイン後、面白そうだったのでしばらく様子をみていた。
こんなやり取りを10分ほどしている間に待ち人が来て、おじさんはその友人と出かけて行った。
その時の捨てゼリフが、
「ほんと、ここのフロントがバカでさあ、全然話にならないんだよ」
だった。
話にならなかったのはおじさんの方だが、こういう手合いにまあまあな頻度でであう。
子供が走り回っているのはさほど気にならない。
普段住んでいる家が狭いのだろう、程度で微笑ましく眺めている。
スマホばかり眺めている子供は気になるが、子供もホテルもそっちのけでスマホを眺めている親には興醒めする。
ホテルを楽しもうという意欲を感じない。
外部への主張か気配りがなく、パブリックでの存在感がない。
家と同じ感覚ではあるのだろうが、それならその辺のファミレスで十分ではないだろうか。
私は大陸系の東アジア人にはさほど嫌な思いをしたことがない。
彼らはよくも悪くも、主張が強い。
何もしないよりは、場作りという意味ではスマホ父さんよりはずっとマシだ。
そもそもパブリック(公共)の意識があるかは怪しいが、それは日本人だって同じことだと思っている。
彼らは、列を作れなかったり、割り込んできたりする。
私の乏しい経験では、英語で強めの口調で主張すると大人しくなるケースが多かった。
私自身が日本人に見えないのか、英語だと大人しく引き下がる。
(以前、伊丹〜羽田の便で乗務員に英語で話しかけられたことがある)
これが日本語だと、全然ダメだ。
日本人が舐められているのか、日本語だと強く意思を伝えられないのか、
彼らにも、日本人が持っているような英語コンプレックスがあるのか、謎だ。
だが、英語で大人しくなるところがある意味で可愛らしい。
私自身、
そんなこと言っても、お前もおじさんだろ、と言われて否定できない年齢に差し掛かってしまった。
もちろん、私はホテルで不利益を受けても大声で騒ぎを起こしたりはしない。
宿泊中はいつでも、お利口さんに過ごしている。
じゃあ、どうやってクレームを入れるかって?
それは企業秘密である。