旅客機はバスや鉄道とは全く違った密室空間だ。
全員が着席しないと出発しないし、
むやみに機内(車内)探検のようなこともできない。
(する人はするのだろうが)
あと、空気の湿度がほとんどない。(新鋭機除く)
事故となると、無傷ではいられないし個人的にはそれなりに緊張感を持って乗っている。
シートベルトは壊れていないか、
非常口は近いか、
酸素マスクはどこから落ちてくるか、
救命胴衣はあるか、
などなどを出発時には安全のビデオを見ながら確認する。
私自身はそれなりの緊張感で搭乗しているが、なかには観光バスと同等の緊張感で乗っている人がいる。
もうかなり以前になるが、某団体旅行の老人客(男性)は印象深い。
福岡〜羽田の夜便だったが、4人がけのシートに一人でいると、安全ビデオのタイミングで老人客(男性)が座席移動してきた。
せっかく4人がけを独り占めできたのに、と思ったが抗議するような話ではないので、そのまま無視し読書をしていた。
飛行機が福岡空港を離陸し、上昇中に事は起きた。
上昇角がまだかなりついている状況で、彼(老人客)はシートベルトを外し、後方の座席に移動して行ったのだ。
乗務員からの
「お客さま〜、お客さま〜」
の声も虚しく、トトトトと移動して行った。
彼からすると観光バスの座席移動くらいのレベルなのだろう。
私からすると上昇中に気流が乱れたりして、その客(老人)が飛んでいたら、と思うと気が気ではない。
旅客機はバスではない、それだけの話なのだが。